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植民地時代の地名は消したい

独立したのだから、やっぱり植民地時代の地名は消したいもの……近年、インドやパキスタンで英国の植民地時代の英語でつけられた地名を変更する動きが活発になっている。パキスタンでは、北西辺境州のパシュトウン民族の地域政党・アワミ国民党が、州名をそこに住む民族の名前にちなんで「パシュトウンカー」に変更するように政府に要請。しかし、この州には他の民族も住んでいるため容易に改名はできないという。また「辺境」と呼ばれることに対しても、反感を抱く人々が多い。一九九七年八月で独立五十周年を迎えたインドでは、都市名を英語で表記するかその地域の言語で表記するかの大論争が起きた。前年の総選挙で地方政党が急伸長したことで、インドが地方の時代を迎えることとなり、地方の公用語への地名表記の変更は盛んになっている。「ボンベイ」は、地方公用語のマラータ語名の「ムンバイ」に、「マドラス」もやはり地方公用語のタミル語名の「チェンナイ」に改名された。日本でも、カレー屋さんの名前などですっかり、おなじみの名前だったために、ちょっぴり戸惑うところ。また、首都ニューデリーでは、ヒンズー至上主義の圧勝後、英語名の「ニューデリー」を公用語であるヒンディー語の「ディリ」に、国名も「バラッド」に変更するよう主張している。しかし、このインドという国は、ヒンディー語のほか十六もの地域公用語がある。そのため、突如地域公用語の地名が登場するたび、パニックが起こる。また、複雑な地名に変更された場合、国営放送のアナウンサーですら、正確に発音が難しく、結局もとにもどした例もあるという。郵便や鉄道にも影響がでて、不便だという声も少なくない。結局、しばらくは諸外国に対する経済的影響を考えて、英語名と地域言語名の併記が主流になっていきそうだ。

始めに記号ありき海外旅行の原点「ABC」

『ABC』は、イギリスのリード・トラベル・グループ発行の『ワールド・エアウェイズ・ガイド』の通称で、世界各地を飛ぶ航空機の時刻表だ。『ABC』は文字どおり、出発する都市名からABC順に引く。A〜Mが青い表紙のブルーブック、N〜Zは赤い表紙でレッドブックと呼んでいる。では東京からパリに行くとして、その引き方を説明しよう。まずTOKYOのTの欄をレッドブックで引く。そこに載っているのは、出発する都市の国際空港に関する情報だ。東京の場合、羽田と成田のふたつあり、APTと書かれた欄にその空港名、市街地からの距離、都市名の略号(3文字コード)、および空港でのチェックインまでの時間が表示してある。次のSTARとは、市街地から空港までの交通機関が『RAIL』(鉄道)、「BUSS」(バス)などと書いてあることで、到着に要する時間は成田の場合、鉄道で55分以上、バスで60分以上と、今さらながら遠いのがよく分かる。「TOKYO」という見出しの脇にある、「+0900」というのは、グリニッジの標準時との差を示す。つまり東京なら9時間進んでいることを示す。

大分県は豊後の国と豊前国

大分県は豊後の国と豊前国のうち東半分とから成っている。豊後の国は戦国時代にはキリシタン大名として知られる大友宗麟に治められていた。しかし、江戸時代には小藩乱立となって、福沢諭吉が出た中津藩が一〇万石、ついでは「荒城の月」の作曲家、滝廉太郎の故郷である竹田藩が七万石、大分はわずか二万石の城下町である。大分には国府が置かれ、鎌倉時代からは大友氏の本拠だった。近代的な城を築いたのは豊臣時代の城主、福原信高で簡素な平城である。もともと府内と呼ばれていたが、明治になって大分郡に属することからそれを町の名前とした。大友宗麟は、晩年、磨崖仏で知られる臼杵に城を築いた。フグの肝というと微毒性があってかつて歌舞伎役者の板東三津五郎が食べ過ぎて死んだこともある。普通は条例で食用を禁止されているのを、大分県だけでは賞味でき根強いファンがいるが、この臼杵では特にフグ料理が盛んである。